黒井緑朗のひとりがたり

きままに書きたいことを書き 云いたいことを云う

十二月大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)

十二月の歌舞伎座昼の部は、昨年につづいて玉三郎によるさながら後進育成公演。まさに一年前も、おなじ『阿古屋』を玉三郎と梅枝、児太郎が交代で、重忠や岩永を彦三郎と松緑が演じた。市川中車による定番の新歌舞伎、ふたりの若手女形や玉三郎による舞踊小…

十二月大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)

師走の歌舞伎座は、大波乱。 『神霊矢口渡』は主要な役がほぼ初役ばかりという新鮮な顔ぶれだが、これがたいへん充実した見応えあるものであった。 お舟を演じる梅枝は、現代的なリアリティとその持って生まれた古風さを見事に両立させて好演。『鮨屋』のお…

キュイ『景観の邪魔』(アゴラ劇場)

綾門優季の書いた『景観の邪魔』の再演。橋本清の演出で、『景観の邪魔Aプログラム』と『景観の邪魔Bプログラム』のふたつのヴァージョンを併演するという趣向である。 この作品の台本は、会場であらかじめ観客に配布された。長短さまざまな二十四のシーン(…

『孤高勇士嬢景清』(国立劇場)

国立劇場の十一月公演は『孤高勇士嬢景清』である。なぜこのような恥ずかしい外題になってしまったのかはわからないが、『嬢景清八嶋日記』と『大仏殿万代石礎』をもとにあらたにつくられた場を加え、「日向嶋」へつなげた台本による。「日向嶋」の場は松貫…

『わだちを踏むように』(BLOCH)

札幌で活動する劇団「演劇家族スイートホーム」は昨年度のTGR新人賞を受賞した団体。第四回公演『わだちを踏むように』(作/演出・高橋正子)の初日を観る。 ひとことで言えば、なかなかの傑作である。 そこでえがかれるのは家族のものがたりだが、家族を家…

吉例顔見世大歌舞伎『髪結新三』(歌舞伎座)

歌舞伎座の昼の部は都合により『髪結新三』のみを観る。これが、なかなか見応えあって面白い。 菊五郎が新三を演じるのは久しぶり。この数年のあいだに菊五郎劇団の新三を受け継いでいくであろう松緑や菊之助も演じたが、やはり当代菊五郎のそれは別格である…