黒井緑朗のひとりがたり

きままに書きたいことを書き 云いたいことを云う

眼に見えない他者とむきあうために

二〇一九年の十一月にその発生が発見され、二〇二〇年三月の段階でも世界的に流行の兆しを見せている新型コロナウイルスがわたしたちの社会にもたらした影響は、おおくのひとにとって、はじめの想像をはるかにこえたものになった。 コンサートや演劇、スポー…

二月大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)

夜の部も十三世片岡仁左衛門の追善演目がいくつもならぶ。だが、小品というしかない演目ばかりで、腰を据えて観られる歌舞伎らしい演目は『文七元結』だけという、なんともさみしい番組である。 『八陣守護城』は忠義の臣・加藤清正=佐藤正清のおおきさを見…

二月大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)

歌舞伎座の昼の部は『菅原伝授手習鑑』の半通し。菅原道真の身にふりかかる悲劇をえがいたこの傑作義太夫狂言の前半部である。十三世片岡仁左衛門の二十七回忌追善として、当代の仁左衛門が菅丞相を五年ぶりに演じる。 「加茂堤」は全員が初役という新鮮な一…