黒井緑朗のひとりがたり

きままに書きたいことを書き 云いたいことを云う

ダフ屋行為はそもそも「悪」なのか

「コンサートなどのチケットの高額転売問題で、超党派のチケット高額転売問題対策議連が28日、インターネット上も含めた「ダフ屋行為」を禁止する法案をまとめた。来春にもチケット販売が始まる2020年東京五輪・パラリンピックを念頭に、今国会での成…

弥勒菩薩がやってくる日

ひさびさに京都を訪れた。 広隆寺霊宝殿にある弥勒菩薩半跏思惟像。自分は仏教徒ではないが、この仏像に惹かれ続け、いままでも京都に足を運んだ際には、時間があれば足を運び眺めてきた。 いくたび眺めても飽きることはない。かすかに前かがみになりながら…

「季節をめぐる歌たち」 木下正道 作曲作品個展(東京オペラシティ近江楽堂)

2018年6月13日 (水)19:00東京オペラシティ3F 近江楽堂 【曲目】☆夏は夜 IV (清少納言) for Soprano, Clarinet & Guitar ☆3つの秋の歌 IV (八木重吉) for Soprano, Flute & Guitar☆灰、灰たち.. 灰...V for Guitar & Percussion☆冬のスケッチ (宮沢賢治) for …

無責任な大衆とアーティストのあいだに

RADWIMPSの新曲「HINOMARU」の歌詞が話題になっている件について6月11日、ボーカルで作詞を担当した野田洋次郎さんが自身のTwitterでコメントを発表した。「戦時中のことと結びつけて考えられる可能性があるかと腑に落ちる部分もありました。傷ついた人達、…

六月大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)

夜の部は初夏らしい狂言二本立て。 『夏祭浪花鑑』は歌舞伎座建て替え中の2011年の6月以来、ちょうど7年ぶりとなる吉右衛門の団七。 結論から云えばいささか低調な『夏祭』であった。 まず、初日からまだ数日とはいえ、科白が怪しい役者が多すぎること。また…

六月大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)

『妹背山婦女庭訓』から「御殿」の場。 前半の主役である鱶七は松緑。拡がりに欠く発声や歌舞伎役者としては長すぎる四肢や小さな頭というハンディがありながら、近年それを乗り越え少しづつ成果を残してきた松緑のこと、期待を込めて観る。 声についてはよ…

新国立劇場『フィデリオ』(新国立劇場オペラパレス)

ベートーヴェン作曲 『フィデリオ』(全二幕) 【指揮】飯守泰次郎 【演出】カタリーナ・ヴァーグナー 【出演】黒田博/ミヒャエル・クプファー=ラデツキー/ステファン・グールド/リカルダ・メルベート/妻屋秀和/石橋栄実/鈴木准/片寄純也/大沼徹 【…

「正しさ」を演じるコトバたち

「麻生氏『北の核の感覚、戦略外交では正しい』」 麻生副総理兼財務相は30日、東京都内で開かれた自民党議員のパーティーであいさつし、北朝鮮が進めてきた核開発に関連し、「『俺のところは核で武装する以外に手がない』と思う北朝鮮の感覚の方が、少なく…

五月大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)

尾上菊五郎家にとって、『白波五人男』の弁天小僧菊之助は紛れもなく五代目以降受け継がれてきた「家の芸」である。 菊五郎が数年前に前回この役を手がけたとき、「浜松屋」「稲瀬川勢揃」だけでなく「立腹」「山門」までを半通しで出し、それに合わせて「こ…

裏切りもののコトバとともに

コトバについてはじめて真剣に考えたのは、いつのことだろうか。 子供のころは、無理やりおとなの仲間入りをしたような気になって、背伸びをしてもっともらしいことを云っていた。話をすることは好きだった。感じたままに話し、誰も考えないようなことを思い…