黒井緑朗のひとりがたり

きままに書きたいことを書き 云いたいことを云う

ひとりがたり

オリンピック開会式が問う多様性とは

多様性とはなにかということを見るものに考えさせるという意味では、今回の東京オリンピックの開会式もすくなくない意味があったと言ってよいだろう。だがそれは、この開会式が多様性とそのポジティブな可能性について表現できていたかというと、それはまた…

コロナ禍での会食は何人までに制限すべきか

国民には5人以上の会食を控えるように要請しておきながら、みずからは毎日のように夜の会食をつづけている菅総理大臣に批判があつまっている。政府がしめした5人という人数が説得力をもっていないため、批判が殺到するのは当然と言える。 西村経済再生相は1…

眼に見えない他者とむきあうために

二〇一九年の十一月にその発生が発見され、二〇二〇年三月の段階でも世界的に流行の兆しを見せている新型コロナウイルスがわたしたちの社会にもたらした影響は、おおくのひとにとって、はじめの想像をはるかにこえたものになった。 コンサートや演劇、スポー…

海老蔵の市川團十郎襲名が決定

十一代目市川海老蔵が、来年(二〇二〇年)の五月に市川團十郎の大名跡を十三代目として襲名することが発表された。成田屋の嫡男としては、いずれはそうなるであろうことは明らかであったにせよ、正式に発表され喜ばしいことこのうえない。 歌舞伎の世界に存…

雨降って、かたまらないもの

ロンドンのウェストミンスター宮殿(国会議事堂)付近で、EU離脱の撤回を求めるデモが行われた。主催者発表で五七万人というかなり大規模なデモは、もちろんそれがそのままイギリス国民の民意を代表しているわけではないが、いまだにこの問題が国を二分した…

サマータイムとは誰の「時間」なのか

「自民党は2020年東京五輪・パラリンピックの猛暑対策として、時計の針を早めるサマータイム(夏時間)導入の検討に入る。安倍晋三首相(党総裁)の指示を受けたもので、早ければ秋に予定される臨時国会に関連法案を提出し、19年の試験実施を目指す。ただ、…

ダフ屋行為はそもそも「悪」なのか

「コンサートなどのチケットの高額転売問題で、超党派のチケット高額転売問題対策議連が28日、インターネット上も含めた「ダフ屋行為」を禁止する法案をまとめた。来春にもチケット販売が始まる2020年東京五輪・パラリンピックを念頭に、今国会での成…

弥勒菩薩がやってくる日

ひさびさに京都を訪れた。 広隆寺霊宝殿にある弥勒菩薩半跏思惟像。自分は仏教徒ではないが、この仏像に惹かれ続け、いままでも京都に足を運んだ際には、時間があれば足を運び眺めてきた。 いくたび眺めても飽きることはない。かすかに前かがみになりながら…

無責任な大衆とアーティストのあいだに

RADWIMPSの新曲「HINOMARU」の歌詞が話題になっている件について6月11日、ボーカルで作詞を担当した野田洋次郎さんが自身のTwitterでコメントを発表した。「戦時中のことと結びつけて考えられる可能性があるかと腑に落ちる部分もありました。傷ついた人達、…

「正しさ」を演じるコトバたち

「麻生氏『北の核の感覚、戦略外交では正しい』」 麻生副総理兼財務相は30日、東京都内で開かれた自民党議員のパーティーであいさつし、北朝鮮が進めてきた核開発に関連し、「『俺のところは核で武装する以外に手がない』と思う北朝鮮の感覚の方が、少なく…

裏切りもののコトバとともに

コトバについてはじめて真剣に考えたのは、いつのことだろうか。 子供のころは、無理やりおとなの仲間入りをしたような気になって、背伸びをしてもっともらしいことを云っていた。話をすることは好きだった。感じたままに話し、誰も考えないようなことを思い…