黒井緑朗のひとりがたり

きままに書きたいことを書き 云いたいことを云う

演劇

地点『三人姉妹』(KAAT)

横浜のKAATで上演された地点版『三人姉妹』の再演。観たいと思っていたが、ようやく叶っての観劇。 コミュニケーションの成立にたいする根本的な懐疑を孕んだチェーホフの古典作品。這いずりまわる俳優の身体の「なめらかでなさ」とも言うべきさまが、その困…

『Taking Sides』(本多劇場)

加藤健一事務所の主催公演。ロナルド・ハーウッドが一九九五年に発表した、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの非ナチ化裁判にまつわる戯曲。おなじハーウッドの『ドレッサー』ほど有名でも完成度が高いわけでもないが、いまの時代に上演する意義のある作品…

小田尚稔の演劇『善悪のむこうがわ』(ボルボスタジオ青山)

「美術手帖×VOLVO ART PROJECT」として、ボルボスタジオ青山で小田尚稔・作、演出の『善悪のむこうがわ』が初演された。その五月十五日の初日を観る。 哲学の古典的著作からモチーフを得て作品をつくりあげてきた小田尚稔が今回選んだのは、キリスト教的な道…

小田尚稔の演劇『是でいいのだ〜Es ist gut』(三鷹SCOOL)

小田尚稔作・演出の「是でいいのだ」二日目をを観る。出演は串尾一輝、善長まりも、橋本清、南香好、渡邊まな実。 舞台にはいつものごとく、電車のつり革や折りたたみ傘がぶら下がるコート掛け、ちいさな卓袱台と座布団、椅子、天井から吊り下がるランプ、な…

「これは演劇ではない」~新聞家、キュイ、ヌトミック(こまばアゴラ劇場)

こまばアゴラ劇場にて「これは演劇ではない」と題したフェスティバルの二日目を観る。 一本目は新聞家『遺影』村社祐太朗・作演出。 結婚式の披露宴に出席している新婦妹とその夫それぞれが十分あまりの独白をするというシンプルな構成。二人の独白の冒頭三…

オフィスマウンテンvol.5 『能を捨てよ体で生きる』

オフィスマウンテンの新作『能を捨てよ体で生きる』を観る。 タイトルにある「能」という字は、能力というコトバがあるように、なにがしかの事態を可能にする意識的な「チカラ」やそのはたらきのことを表し、その「チカラ」をはたらかせることを「能動的」と…

シス・カンパニー『出口なし』(新国立劇場・小劇場)

新作だけではなく、すでに古典となった戯曲を豪華なキャストでていねいに上演することで定評のあるシス・カンパニーの公演。ジャン=ポール・サルトルの不条理演劇の代表作『出口なし』を小川絵梨子の演出で観る。 ガルサン、イエネス、エステルというなにも…

小田尚稔の演劇『聖地巡礼』(RAFT)

小田尚稔の作・演出『聖地巡礼』を観る。出演は助川紗和子、橋本和加子のふたりのみ、休憩なし90分の舞台である。 東京に住む織田という女性が、学生時代の友人の結婚式に招かれ八戸へ短い旅行をする。そのおりに恐山へ立ち寄る織田の体験を追いながら、そこ…