早稲田小劇場どらま館がプロデュースする、共同制作プロジェクト「どらま館Labo」の公演。作・演出は山本健介。 ガラス張りの「GCC Common Room」の長方形のスペースの対角線をななめに横切るようにアクティングエリアがあり、幅三尺ほどのしろい観客席はそ…
歌舞伎座昼の部は『加賀見山再岩藤』いわゆる『骨寄せの岩藤』の通し上演である。近年恒例のダブルキャストだが、初日のAプロを観る。 まず発端から序幕は望月弾正を演じる中村芝翫がよい。こういうスケールのおおきい敵役を演じさせたら、いまは芝翫をおい…
岡田利規の『未練の幽霊と怪物』は、「挫波」「敦賀」の二作がコロナ禍での紆余曲折をへて五年前に劇場で上演された。今回はそれにつづく「珊瑚」「円山町」の二作の初演となる。これらは伝統的な夢幻能の形式をかりた作品であり、シリーズとしての『未練の…
歌舞伎座夜の部は『陣門・組討』から。中村勘九郎による待望の熊谷次郎であり、またその子・中村勘太郎が平敦盛を演じている。 『陣門・組打』じたいはきわめて濃密なひと幕であるが、のちの場面である『陣屋』にくらべるとかなり地味な演目であることは事実…
『お江戸みやげ』といえば、いまは亡き先代中村芝翫と五代目中村富十郎のふたりによる名演が思いだされる。今月は中村鴈治郎と当代中村芝翫のコンビによる上演。鴈治郎はおゆうを、芝翫はお辻をすでになんども演じている(このふたりの組み合わせではない)…
新橋演舞場は恒例の市川團十郎一座の公演。昼の部を観る。 『熊谷陣屋』の熊谷直実を十年ぶりに演じるのは市川團十郎。当代團十郎の特徴のひとつとして、心理が複雑にからみあう悲劇の主人公などを演じると、その内面を過剰におもてに出してしまうということ…
新春の歌舞伎座夜の部は『女暫』から。バカバカしいまでの古典的な演目で、さぞ正月らしいひと幕になるかと思いのほか、不思議なことに見物席はもりあがらない。本来きわめて祝祭的であるはずの『暫』から、どうやらその祝祭性が失われているように思われる。…
『蜘蛛絲梓弦』はエンターテインメントに振りきった舞踊劇。見た目が派手でさまざまな役の早変わりはあれども、ひとつひとつの役をしっかり味わう時間がない。澤瀉屋型の「四の切」とおなじような早変わりのギミックもキレがなく、やたらと蜘蛛の糸をつかう…
『丸橋忠弥』は河竹黙阿弥のいつもの台本を、わずかながら整理してわかりやすくしたものになっている。竹柴潤一の補綴、西森英行の演出という、この数年尾上松緑とともに講談をもとにした新作を世に出しているチームである。この『丸橋忠弥』ももとは講談で…
OrgofAの新作上演『コウノトリが飛ぶ島国で、この部屋で』を観る。作・演出は演劇家族スイートホームの髙橋正子。タイトルからしてこの国(または北海道)における子供や出産をめぐる家族関係をテーマにしているのだと想像できるが、期待させる以上…